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Chocolate Editor

eskoyama/第4回 ショコラとワイン 官能の世界

毎年恒例、4回目の開催となった『ショコラとワイン 官能の世界』へ。

会場は、去年に引き続き京都嵐山の「星のや京都」。


会場へは嵐山から船で行きます。船を待つ船着場も素敵です。

昨年は台風の影響で川が増水し、船ではなく車で向かうことになりましたが、今年は無事に船で出航。

通常は宿泊客しか入れない特別な場所。

船が下りて、階段を上ります。

船着き場がどんどん小さくなります。

自然豊かな会場。静かな山の中を上がっていきます。

会場はこちらの「蔵」。


ショコラとワイン官能の世界は、エスコヤマの新作ショコラ5粒に対して、男性ソムリエと女性ソムリエールがそれぞれ合うワインをセレクトして楽しむというもの。



セレクトはこちらのお二方。

👨うえと salon&bar 上田太一郎さん

👩salon du vin et du the 祇をん 香 kou 倉田香緒里さん


同じショコラでも選ぶワインによって味わいが変わるのでおもしろいです。


ショコラとワインは合わないと言われることも多いが、ウイスキーなどのハードリカーには合うと思われている。ではなぜハードリカーは合うと思われて、ワインには合わないと思われるのか…。

その理由を考え、紐解き、1つ1つのショコラの味わいに合わせて丁寧にペアリングしていくと、合うものが見つかる。それを伝えたいというのがこの会の目的。


ワインを選ぶ際も、ただショコラに合うか合わないかではなく、ショコラとワインを合わせた時にどんなことを表現したいのか…を考えて選ばれているので、ペアリングも一つのアート。なぜこのワインを選んだのかを聞くのもまた興味深い。



小山シェフの今年のテーマは2つ

①ボンボンショコラの市民権化。 ボンボンというとウイスキーボンボンと誤解されることがまだ多いので、その意識を変えたい。

②モンスターカカオ チョコレートを作るには、チョコレートを作る技術があればよいわけではない。

1)日常生活から面白いものを見つける切り抜き能力

2)料理や食べ物からチョコレートの素材を見つける能力

3)チョコレートを作る技術を含めた味覚能力 この3つの能力は必要。 チョコレートが楽しいことを伝えるために、チョコレート仮面となって、あらゆる媒体を駆使していくためにアニメも制作。


今回のショコラはこちらの5種類。

①マンダリンティー(※こちらはchocologyではない新作)

②回想~野菊の香り2018~

③蕾~ハマナスの花のように~

④赤の時代~パプリカフランボワーズ~(スペイン・ラヴェラ産パプリカ)

⑤Mellow~ダージリン~(インド・シンブーリ茶園2018初摘み)


今年のエスコヤマの新作ショコラ「chocology」のテーマは「回想~Mellow~」。

※後述②~⑤の4粒で構成。


自然界の緑から赤へ、成熟していく様子を4粒のショコラで表現。

年老いた女性を主人公に、Mellowは女性自身であり、彼女が孫娘に自分の昔話を回想しながら話しているイメージとのこと。



テーマ写真は鏡を持った主人公で、鏡に映る姿が想像、鏡を持つ手が現実で、想像と現実が異なることを表現。


自分が思う自分のイメージと、現実の自分。

鏡は真実を映さない…。



■ショコラとワインのペアリング




🍫① マンダリンティー

(※こちらはchocologyではない新作)

マンダリンティーは、マンダリンをくりぬいて、キームン茶葉を入れ込み、皮の苦みやリモネンの香りを移したお茶。

📝ミルクの中にほんのりとマンダリンの香り。徐々にマンダリンが強くなり、後味にキームンの渋味を感じる。



👨🍷Pascal Mazet/Empreinte 1er NV(シャンパーニュ)

しなやかで柔らかく、単純で複雑。相反する要素を表現。

📝酸をキリリ際立たせる。



👩🍷Sepp Muster/Sauvignon Blanc vom Opok 2016

マンダリン×ミルクチョコにミントの香りを乗せたかった。

📝青さが出て、ミントを感じられる。





🍫② 回想~野菊の香り2018~

1年前のショコラ「野菊の香り」で表現したものを、異なる素材で再構成。

菊の花を使わずに、菊の花から感じたパッションフルーツと、アプリコットで菊の花を表現。

📝口に入れると菊の花の風味が広がる。これが菊の花を使用していないことに驚く。パッションフルーツの酸味の中にあるグリーン感、花のフローラル感、菊の花の青さの苦みまで表現されている。余韻にまたミルクが戻る。




👨🍷Nicolas Renard/Cuvee J 2015(白)

なめらかでさわやか。青さとフルーツ感。みずみずしいミネラル感。

📝フルーティーな風味が際立つ。




👩🍷Radikon/Merlot 2005(赤)

青のイメージが竹林のような青のイメージ。一般的な白では合わないので、パッションフルーツのフルーティーな酸をメルローの赤ワインと合わせて。

📝出汁のような旨味が出てくる。





🍫③ 蕾~ハマナスの花のように~

小山シェフが19歳の頃に通っていた喫茶店で飲んでいたメイクイ茶。その味に1年前に再会したことから制作。

イメージは少女から女性へ変化する頃のオードリー・ヘップバーン。

緑から赤に変わりかけのピンク色を表現。

📝フローラルな香り。なめらかなガナッシュを口に入れると一気にローズの風味がきて、ピンク色に染め上げる。

このショコラは本当に少女のイメージ。でもワインに合わせると一気に大人のイメージに変わる。そして2つのワインはどちらもロゼなのに、歳の取り方が違う!


そしてこのショコラにはインド産のカカオのビターとチャンチャマイヨのホワイトが使われているのです。



👨🍷Zurab Topuridze/Rose Q670 2013(ロゼ)

大地のエネルギーを感じる地中で醸されたワイン。燻香があり、紅茶のような苦みも含んでいる。

📝食べると、苦味、渋味が出てくる。熟成感が一気に出て、成熟した感じ。



👩🍷Drappier/Brut Rosé NV(ロゼ)

ショコラのイメージが良家の子女のような、「ローマの休日」の頃のオードリーで、品のあるかわいらしさ。

なので出汁ではなく、洗練されたシャンパーニュで。

📝醤油、キャラメルような香ばしさが出てくる。





🍫④ 赤の時代~パプリカフランボワーズ~(スペイン・ラヴェラ産パプリカ)

小山シェフが昔作ったパプリカとフランボワーズのケーキをショコラで再構築。

燻香がついたパプリカのガナッシュと、アーモンドのプラリネの2層。50代の女性をイメージ。

📝パプリカの香りに香ばしいアーモンドの香り。ざくざくとした食感から、スパイシーでエキゾチックな味わいが広がる。

このペアリングは、ショコラ単体、それぞれのワインと合わせた時でまったく表情が変わります。



👨🍷Sons of Wine/404 2018(オレンジ)

アルザスのワイナリーだが、ランドックのグルナッシュ・グリを使用。ビネールが使用していた蔵で現在醸造。

エキゾチックでスパイシー。エネルギッシュ。

📝ラズベリーの酸味、甘酸っぱいフルーティーさが一気に際立つ。ショコラのラズベリーとリンクしていくイメージ。



👩🍷Christian Binner/Blanc de Noir Cuvée Excellence 2011(ロゼ)

シャンパーニュに合わせたかったが、全体のバランスを考えてこちらのワインに。

ピノノワールの貴腐葡萄を使用したロゼ。時間が経過した熟成感もある。

📝もっちりと甘いデザートワイン風。アーモンドの香ばしさがぐっと際立つ。

ショコラの甘味を足すイメージ。





🍫⑤ Mellow~ダージリン~(インド・シンブーリ茶園2018初摘み)

ミルクを入れない紅茶にチャレンジしたかった。葡萄のようなフルーティーさを表現したかったというショコラは、水の中に茶葉が浸かっていくイメージ。

表面はパールを飛ばし、透明感を表現。

📝白桃のような瑞々しい甘味と、さわやかでフローラルなマスカテルフレーバー。その中に茶葉の青さが潜み、みずみずしく透明感のあるダージリン!



👨🍷Benoit Lahaye/Coteaux Champenois 2014(赤)

塩味を感じさせるミネラル感と華やかな果実感。

チョコレートを含みながらでも調和する。アンバランス感が拮抗するワイン。

📝紅茶のマスカテルの青味を足すイメージ。フルーティーな青さが出てくる。



👩🍷Ludovic Chanson/Les Péchers 2017(白)

シンブーリは抹茶ロイヤルミルクティーとしてお店でも提供されている紅茶。

ショコラがまとまっているので寄り添う系のペアリングに。

ショコラに桃の印象があったので、ワインも桃のイメージがあるものに。口にある間に飲んでもよい。

📝こちらは桃の甘味をさらに足すイメージ。フルーティーだけど、キャンディーのようなスイーツ感が出てくる。




こんな風にクーベルチュールまでテイスティングさせてくれることはなかなかないので貴重です。

クーベルチュールを食べることで、ボンボンショコラの味わいを分解して、構成を確認することができます。


こちらは上田さんのワインですが、真ん中だけ逆になっております。

こちらは倉田さんセレクトのワイン。真ん中は逆です。



テイスティングの合間にいただくのは、通常はお水や白湯ですが、こちらでは出汁。舌をクリーンにしつつ、味蕾を開くそうです。


驚きと新しい美味しさをありがとうございました!

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