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Chocolate Editor

eskoyama/ボンボンショコラとワインの世界



毎年恒例のエスコヤマの新作発表も含めた10月のイベントはコロナの影響で3月に。そして今回は場所を比叡山延暦寺の大書院の間に代え、ソムリエはBar うえとの上田さんのみになりました。


恒例イベントなのでどうしても参加したく、日帰りで強硬参加してきました。



まずは今年のeskoyamaの新作の紹介から。

小山シェフは、バレンタインシーズンが落ち着いた後、約3か月間新作ショコラの仕込み期間を設けています。今年はコロナ禍ということもあり、意図せず集中する時間が作れ、5月には完成したそうです。


テーマは、「生きる」。



昔から昆虫が大好きで、昆虫の知識が勉強になると感じていたそうですが、いつでも採れるわけではなく、昆虫の減少、激減していることを感じていたそうです。


いつも石丸さんが小山シェフのショコラを写真で表現し、視覚的にテーマを伝えています。

今回は1回目に仕上がったものに対し、ダメ出しをしたところ、石丸さんが動画を作って来たそうです。それが今回のコンセプトを見事にまとめたものとなっていた。


2011年から参加しているCCCは、日本人だけは別枠で評価されてしまう。

食の歴史や体験がことなる文化で、味の評価をさせることは難しい。

ようやく旨味は理解されるようになった。しかしこの旨味=アミノ酸=美味しさではない。


ショコラを食べる時、1回目は未体験。2回目は何かが分かり始める。完成してから3か月間毎日食べ続け、ようやくその味を理解できる。そうして、CHOCOLOGYに入れる4粒を選んでいく。


① No1. 本能~Instinct ~からす山椒はちみつ~

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二コラ ルナール キュベ J 2015



🍫中華料理店でからす山椒の蜂蜜を味わって、生きる本能を感じたという。日本ミツバチは花のない時季に命がけで蜂蜜を取りに行く。

蜂蜜の香りを感じた後、山椒のスパイシー感がピリピリと強まる。スパイシーだけどハーブ感があり、グリーンな柑橘の風味のある淡い山椒の風味。




🍷ロワール地方のソーヴィニオン100%のワイン。果実味があり、舌にピリピリとした泡を感じ、深みとコクのあるワイン。


🍫🍷ショコラのスパイシーな香りと柑橘の風味が広がり、蜂蜜の甘味がふわりとかぶさる。一緒に食べることで、ワインが一気に甘く感じられる。


② No.2 知恵~Wisdom ~牛蒡と苺~

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ロベール ドゥノジャン キュベ ジュールショベ 2017



🍫土臭い牛蒡をローストするとコーヒーの香りに似ていることに気がついた。コーヒーとショコラならばアリではないか。牛蒡は平安時代には食されており薬ともされていた。

牛蒡の土っぽい香りに、ベネズエラ・スルデルラゴの土の香りのチョコレートを合わせた。黒糖を使用したショコラブランがアクセントになっており、牛蒡の風味の後に苺の甘酸っぱい風味が広がる。




🍷ドノジャンが自然派のワイナリーを間借りして作ったワイン。苺ジャムのような甘酸っぱい風味があり、キリっとした苦味が一筋ある。若々しいハーブのような苦味。


🍫🍷合わせると大人の味わいになる。ショコラにもワインにも苺の風味があるのに、苺ジャムのような甘酸っぱさが姿を変え、苦味が前に出てくる。それが嫌な苦味ではなく、キリリとした大人の味わいとして一層際立っている。



③ No.3 神~God ~テハテ~

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マルク ソワイヤール クラ 2017



🍫古代メキシコ文明を訪れ、オアハカの唐辛子と出会ったのと同時に、そこでテハテのクーベルチュールと出会った。その場で注文したが、届いたのは2年後だった。通常のクーベルチュールとは価格が一桁違う。だがどうしても使いたかった。ホワイトカカオのソコヌスコと一緒にグランディングしている。

※テハテとは、カカオの花とよばれるが、実際にはカカオの花ではなく別の品種の花。スパイシーなカレーのような香りがし、現地ではショコラショーに入れて飲まれたりしている。




🍷ミルクとカレーのようなスパイシーな香り。香りはミルク感が強く、ほのかなスパイス感だが、食べると一気に複雑さをもつスパイシーな味わい。


🍫🍷一番悩んだというペアリングのワイン。カカオのフレーバーを活かしてくれる単一的な味わい。豊かなブルゴーニュの白ワイン。ピリピリとしたスパイシーさが感じられる。その中にほんのりと蜂蜜と柑橘の酸味を感じる。

ショコラにキリリとしたミルク感が出て、スパイシー感が滑らかになる。ワインのピリピリとした泡が、ショコラの輪郭を整え、くっきりと浮かび上がらせる。寄り添うペアリング。



④ No.4 RITA~Altruistic ~大和橘~

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ブノワ ライエ ブリュット ナチュール グランクリュ NV



🍫大和橘は500円玉のデザインにも使用され、京都御所のご神木でもある、柑橘の元祖とよばれる柑橘。大和橘を守る会があり、そこから送られてきた大和橘の香りが素晴らしく、パート・ド・フリュイを作り、マーマレードを作った。でも使わなかった。

大和橘は、昔、旅人が道中で飢えで亡くなることがないように植えられたもの。種と果実はパウダーし、花を生クリームでアンフュゼし、蕾をアルコールの中で2週間漬けた。

プラリネの中に果汁のパウダーを入れ込み、花の部分は蜂蜜と一緒にガナッシュにした。

口の中で柑橘の輪郭が、様々な形で一気に開く。




🍷ドライなシャンパーニュ。しみじみした滋味深い味わいで、奥ゆかしいフルーツ感がある。


🍫🍷口に入れると泡に反応して、ショコラの大和橘の風味がより強く感じられるようになる。ショコラを最大限引き立たせる奥ゆかしいペアリング。


⑤ 黒烏龍+カシス

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ルドヴィック ボネル ペシュ 2004



🍫この黒烏龍茶に出会って作りたくなった。クリエイトする中で、出会いはとても大切。

黒烏龍のミルクティーのような味わいが、ゆっくりとカシスの酸味に混ざり合っていく。




🍷ショコラがもう飲み物になっている。そこで、バニラビーンズをアルコールでつけて、ホワイトチョコレートを入れた。苦味のあるしっかりとした果実味のある2004年のヴィンテージ。


🍫🍷黒烏龍茶のミルクティーの味わいが強かったボンボンショコラが、ワインと合わせることでカシスが表に出て果実味が強く感じられるようになる。



⑥ ホップ+グアバ

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マルコ デ バルトリ×マルコ デ バルトリ



🍫ベーコンチョコ→燻製。ビールチョコ→ホップ。国産ホップ、伊吹を使用したショコラを作ってみた。伊吹は和ハーブで、古来の日本女子の香りのイメージ。

グアバのフルーティーなジューシーさが現れたあと、ホップの爽やかな清涼感が通り抜けていく。ハーブの香り。




🍷同じ銘柄の古酒ワインをアッサンブラージュし、ビールのような香りを出した。オレンジの香りと、強いアタック。糖分があり、クセのある古酒感がかすかにある。


🍫🍷黒糖のような複雑で濃厚なワインの甘味の中から、ショコラの爽やかな果実感が現れる。古酒をアッサンブラージュさせるというアイデアによって、ショコラに糖度を合わせつつ、ホップとグアバを風味を消さずに、ワインの甘味の中から爽快に現れるショコラの味わいが面白い。






素敵な場所でのショコラとワインの会。延暦寺という結界の中なので、住職はワインを飲めず、ショコラのみ楽しんでおりました。結界の外ならお酒もOKだそうです。



普段は入れない大書院を会場とした、小山シェフと住職の対談もある貴重な会でした。

ご準備いただいた皆様、ありがとうございました。




琵琶湖を望む比叡山延暦寺。宿坊もあり、宿泊も可能です。


eskoyama

〒669-1324 兵庫県三田市ゆりのき台5丁目32−1


うえと salon&bar

〒605-0023 京都市東山区 三条白川橋西入ル南側 今小路町91-1

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