イタリアのピエスモンテ州に店を構える日本人、才村由美子さんとアンジェリーナ・チェルッロさんのショコラトリー『Piccola Pasticceria(ピッコラ パスティチェリア)』。
今年2015年のC.C.C.で日本人として『テオブロマ』の土屋シェフと並んで外国人部門最優秀賞を受賞。
イタリアではチョコレートをエスプレッソと合わせていただく機会が多いので、甘いチョコレートが多いのですが、こちらのショコラはショコラだけでいただいても美味しい甘さになっています。
今回はC.C.C.で受賞された作品『Made in Italy』。
ショコラボックスにはちゃんと説明書付。この心配りが日本人ですよね。
『Made in ITALY』
(左上から→)
①VINAIGRE BALSAMIQUE
艶やかで鮮やかなイタリア国旗を背負ったドーム型のブラックチョコレート。表面はホワイトチョコレートに色が塗ってあるので色鮮やかでツヤ感がある。
酸味のあるバルサミコ酢の香り。
シェルのブラックチョコレートはやや厚めで、ポキッと割れる。
中は2層になっていて、上層はコンフィチュールのようないちごのパティ。
下層はブラックチョコレートベースで滑らかでクリーム状のバルサミコ酢のガナッシュ。
口に入れると苺の甘酸っぱい風味がふんわりと広がる。バルサミコ酢のガナッシュはフルーティで、苺と混ざると苺とともにそのフルーティさをさらに際立たせる。
後から外側のブラックチョコレートが溶けだし、今度はその酸味とともにカカオのフルーティさが味わえる。
②CREMINO SEL
艶やかなミルクチョコレートの正方形に、ミルクチョコレートの細いライン模様が描かれている。
芳ばしいナッツの香り。かすかに塩の香りもする。
外側はミルクチョコレートのシェルでやや厚い。底面には、ミルクチョコレートのシェルの内側にブラックチョコレートが隠されている。
中は3層になっていて、ミルクチョコレートベースのガナッシュのように滑らかなプラリネの間に、粒を残したプラリネが挟まれている。
ザクザクとしたナッツの芳ばしい食感と共に、時折塩が顔をだし、その塩気で甘さを引き立てる。
滑らかなプラリネがそれを穏やかに包み込む。
甘みは強いので、エスプレッソなどコーヒーに合いそう。
手が込んでいて、ナッツの特性や風味を多様な方法で加工してそれを1つにまとめている。
クセになりそうなほど美味しい。
③SAFRAN PIEMONT
上品なツヤを放つブラックチョコレートの正方形の表面には赤い鮮やかなサフラン。
サフランのエキゾチックな香りがする。
外側のシェルは極薄いブラックチョコレート。
中は2層になっていて、上層は鮮やかな黄色ホワイトチョコレートベースのサフランのガナッシュ。
下層はブラックチョコレートベースのガナッシュ。
口に入れるとまずサフランの風味が広がる。その後にブラックチョコレートの渋みのある風味がそこに混ざり、サフランをさらに引き立てる。
サフランの主張が強く、濃厚なローのブラックチョコレートを使っていても負けていない。
口どけもよく、舌触りも滑らかだけどマジパンのようなどことなくザラ感のある風味。
サフランとチョコレートの組み合わせは初めて。でもどこか懐かしい。そんなイメージをどことなくザラ感のある風味がさらに増幅させる。
④QUETZALCOATL
ツヤのあるブラックチョコレートの長方形。表面にはQUETZALCOATL(=カカオの神様)の古代絵のような模様。
酸味と苦みのあるカカオの香り。でも焙煎されたような芳ばしさとは違う。
外側のシェルのブラックチョコレートは薄く、パリッと割れる。
中はブラックチョコレートベースのガナッシュ。
口に入れると不思議なカカオの風味が広がる。ガトーショコラのように芳ばしくパウダリーな印象で、もっちりとした食感なのに滑らかでどこか生っぽさを感じる。ベリーのような酸味も感じ、甘みもしっかりとある。
古代のチョコレートと言ってしまうには美味しすぎるのですが、どことなく懐かしく素朴さを感じる。
Piccola Pasticceria
via solferino 17, 15033 Casale Monferrato ITALY
営業時間:火-土9:00-13:00 16:00-20:00 日9:00-13:00
TEL:+39 0142 531274
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