teal
『ease』大山恵介シェフと『パスカル・ルガック東京』 元シェフショコラティエ眞砂翔平シェフがタッグを組んで2021年にオープンさせたチョコレート&アイスクリームのお店『teal』。
チョコレートのお店ではあるのですが、ボンボンショコラの取り扱いはオープン時点ではなく、キャラメルバーや、焼き菓子、タブレットがメイン。
クリスマスシーズンに初めてボンボンショコラを限定発売していたので、購入してきました。
Bean to Barのチョコレートも扱っているとのことですが、現時点で販売されている商品のごく一部で、今回の4種アソートの中で、そのチョコレートが使われているのは「ヤパテラブランコ」のみでした。
ボンボンショコラアソート
シトロン
レモンとウーシャンフェンのガナッシュ
ウーシャンフェンとは中国料理で使われる五香粉と呼ばれるミックススパイス。よく使用されているのは、八角、丁香(チョウジ、クローブ)、肉桂(カシア)、花椒、小茴香(ウイキョウ)。
表面に波を立たせたツヤのあるビターチョコレートの正方形。
シトロンと名付けられているが、香りは完全にスパイシー。八角やクローブのようなエキゾチックな香りが漂う。
シェルのビターチョコレートは極薄く、パリッと割れつつも、中のガナッシュと一体化している。
中はビターチョコレートと同色に近いガナッシュ。まず生クリームの柔らかいクリーム感が前面に出て、その後にエキゾチックなスパイスの風味が広がる。しかし中盤から後半にかけてしっかりとしたレモンの風味が全体に広がり、これがレモンのガナッシュであることをはっきりと確認できる。烏龍茶のような芳ばしくもフローラルな風味が余韻に残り広がる。
一層でありながら、油脂の温度と口どけで完全に味わいを変えて、前半と後半では違うショコラを食べているかのように構成が組まれている。強いスパイスを使いながら、ここまで味の構成が繊細に作れるとは。これは見事。
アマゾンカカオ
マットな質感を含みつつもツヤのあるビターチョコレートの正方形。表面にパウダーが振りかけられている。
フルーティーながらツンとした酸味のある香りと、菩提樹の蜂蜜のような甘味がありながら土っぽい香り。
シェルは極薄く、パリリと割れる。
中はやや赤味を含んだミルクチョコレート色のガナッシュ。
ふわりと焙煎香が漂った後に、その中からフランボワーズのような甘酸っぱい風味が一気に鮮やかに広がる。クリーミーで柔らかな食感とともにミルク香が全体に感じられるが、鮮やかなフランボワーズのような甘酸っぱい風味が前面に出て、それを際立たせている。余韻にはほのかな渋味が出てくるが、全体の味わいを引き締めて、チョコレートらしい焙煎香と感じられる。長い余韻が楽しめる。
ヤパテラブランコ
ツヤのあるビターチョコレートの正方形。表面には馬蹄のような模様。
カルダモンや八角のような異国的なスパイスの香りに、ほのかに華やかなフローラルとフルーティーな香り。
シェルは極薄く、パリッと割れるがガナッシュと一体化している。
中はややミルクチョコレートを感じさせる色合いのガナッシュ。
ミルキーなガナッシュの風味がふわりと広がり、生クリームがたっぷりと入っていることを感じさせる柔らかな食感。生クリームにマスキングされながらもその中にカルダモンやシナモン、ピンクペッパーのような強いスパイスの風味が隠れている。中盤からレモンのようなフルーティーな酸味が出てきている。
華やかでアジアを感じる味わい。ガナッシュは滑らかな口どけでシルキーな舌触り。余韻にフルーティーな酸味が残る。
パッションローズ
パッションフルーツとアップルローズガナッシュ。
ツヤのあるビターチョコレートの正方形。さざ波が立っているような表面に点での円がかかれている。
パッションフルーツの酸味の強いフルーティーな香りと、甘く芳醇なローズの香り。白桃のような甘いフルーティーな香りもある。
シェルは極薄く、パリリと割れるが、ガナッシュと一体化している。
中はビターチョコレートと同色のガナッシュ。
口に入れると一気にローズの花束。ローズの芳醇で豊かな香りが口いっぱいに広がる。ローズの単層的な味わいの中に、パッションフルーツの甘酸っぱい風味を加えることで、味わいに複雑性を出しつつも、よりローズを引き立たせ、その芳醇さをより華やかにしている。強いパッションフルーツという素材を使用しながら、ローズが主役にできるというところもまたすごい。パッションフルーツのフルーティーな酸味が、ローズの風味をより瑞々しく感じられるようになっている。
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