神戸・三ノ宮から、東京・自由が丘に移転してオープンした「ヤスヒロセノ」。
神戸の頃に比べると、店内は少し小さくなった気がしますが、工房はかなり広くなったようです。
プラリネのおいしさには定評がありますが、私のおすすめは何と言ってもピールショコラ。
柑橘のコンフィが絶品です。
厳選された果物と、丁寧に時間をかけて作られたコンフィは、肉厚でありながら柔らかく、果肉のような瑞々しさがあります。
今年は特に伊予柑の出来が良いということで、伊予柑と、同時期に販売されていた柚子をいただきました。
ビターチョココーティングが伊予柑ピール、ミルクチョココーティングが柚子ピール。
伊予柑ピール
シェルはかなりビターめのチョコレート。さっくりと割れる。
口どけはよく薄く、伊予柑の香りをたっぷりと吸い込んでいる。
伊予柑のコンフィは、ゼリー状に柔らかく、もっちりとした食感。伊予柑の皮というよりも果肉を食べているようなジューシーさがある。それでいて、ピールのほのかな苦味を残し、強すぎない甘味。これだけのものを作る手間暇を思うと気が遠くなる。
チョコレートと一緒に食べることで、ブラウニーのようにチョコレートに香ばしさが感じられる。ドライフルーツのように濃厚に閉じ込められた伊予柑のコンフィが、チョコレートに包まれて、苦味が消され、その中で優しい伊予柑の贅沢な味わいを放つ。形が異なっていたら、中身はピールコンフィではなく、パート・ド・フリュイだと思ってしまいそうなほど、果汁感と柔らかくもっちりとした食感。
チョコレートに負けてしまっている部分があるので、もう少しチョコレートを薄くするか、味わいの近いチョコレートをシェルにした方がよかったかも。
柚子ピール
シェルは甘めのミルクチョコレート。さっくりと割れる。
ミルクにマスキングされているものの、中盤からふわーっと柚子の風味が広がっていく。
もっちりとしながらも、しっかりと歯ごたえのある柚子ピール。
噛むとふわりと柚子が出て、まず甘味が出て、ゆっくりと花開くように、中盤から柚子ピールらしい苦味や渋味がほのかに現れる。すっきりとした酸味と心地好い甘味。
チョコレートと一緒に食べても、じゅわっとしたピールの食感を感じられる。ミルクチョコレートの口どけが早く、先にミルクの甘味が出てくるが、その中からゆったりと柚子の風味が開いていく。しゃっきりとした柚子ピールは存在感があり、ミルクチョコレートの甘味の中でも柚子の主張を感じる。余韻になってから、ミルクと柚子のバランスが変わり、柚子の酸味のある味わいがすっきりと残る。
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