蕪木
蔵前に店舗を構えるBean to Bar ショコラトリーの「蕪木」。
店主の蕪木氏は大手メーカーでチョコレートの商品開発を経て、独立。最初はコーヒーの自家焙煎を中心としたお店だったが、カカオも自家焙煎を始め、独自の世界観を醸し出す空間と、拘りのあるコーヒーとチョコレートが人気のお店となっている。
Bean to Barショコラトリーではあるが、ホワイトチョコレートの製造するためにはカカオからバターを絞る必要があり、そのために必要な機械がとても高額なため、なかなか独自でホワイトチョコレートを製造できるショコラトリーは少ない。
蕪木も同様で、ホワイトチョコレートはBean to Barとして作られたものではないのだが、他とは違うこだわりを持って作られていることが食べるとよくわかる。
白煉
濃厚なミルクの深い香りに、甘いバニラの香り。蜂蜜のような奥行きのある深い甘い香り。
少し黄味がかったホワイトチョコレートの中に、バニラの黒い粒がたっぷりと入っていることを視覚的にも感じさせる。
パキッと良い音を立て割れる。やや硬めの質感で、ゆっくりと口の中で溶けていく。
トップは淡いミルク、ゆっくりと濃厚になっていき、チーズに近い濃厚さのミルクには、干し草を感じるような野性味があり、その臭みをバニラが柔らかくマスキングしていく。ほんのりと香ばしい焙煎香もあり、キャラメルのような風味が時折感じられる。ラストにはミネラル感がしっかりと主張し始めて、バニラのフローラル感が余韻に残る。
ミドルのミルクの濃厚さが、ラストにはきれいに消えていく。ブロンドチョコレートのような焙煎風味があるのが特徴的。甘味は強いが、トップからラストにかけて、焙煎香やキャラメル風味、ミネラル感など、余韻まで変化の多いホワイトチョコレートのテイストになっており、食べ飽きない工夫が見られる。
Comments